ラット、マウス、ハツカネズミ、ドブネズミ、クマネズミ、黒いの、黄色いの青いの。
ネズミにも色々種類が居ます。
その中でもクマネズミは運動能力、知能ともに高く、
その知能は三歳児並み、一説では大学生並みの知能があるともいわれています(言い過ぎだとは思いますが)。
素人の駆除が難しいためか
弊社に寄せられる駆除の依頼も大半はクマネズミであり
弊社が日々研究している駆除技術の向上もこのクマネズミを居なくするための研究だと言っても過言ありません。
彼らを駆除する為には、油断させ、騙し、弱らせる。
あるいは、「ここに住むのは危険だ。」と理解させなければなりません。
ただ粘着シートをかけるのでは最初の数頭、
あるいはまだ智恵を付けていない子ネズミくらいしかつかまえられません。
生き残っている個体が居ては
結局、ネズミが学習し警戒心を高めただけでネズミが駆除し辛くなってしまうんです。
前回も書きましたが、
クマネズミは基本的に番(つがい、夫婦2頭)以上で生息し、
そこに子供や一族が加わってグループを作っています。
どうやら会話も出来るらしく、
よく「チューチュー」と表現される鳴き声の他に人間には聞こえない周波数での会話をしています。
例えばある一戸建て住居には8頭程のクマネズミが生息しており
普段は天井裏や床下に居るとします。
そして、
玄関の上り框(アガリガマチ、玄関の下足場から一段上がっ縁の部分)に
壁の中や床下に繋がる穴=ネズミの出入り口があり
台所での食品被害や目撃があったとします。
この住宅でのネズミの動きを
定点カメラなどでネズミのグループ単位での行動を観察していると、
このクマネズミ達の動きは以下のようになります。
↓
1)まず1匹穴から出てくる。
↓
2)その1匹が台所など目的地に向かう。
↓
3)しばらくすると、他のネズミが一気に出てくる。
↓
4)1匹目とまったく同じルートを通って台所に向う。
↓
5)台所で蛇口や流しの水を舐めたり、コンロに上って五徳を舐めたり、遊んだりする。
↓
6)来た時と全く同じルートを逆に通り穴から建物の中に戻る。
詳しく動きを説明すると
1)まず1匹だけ穴から室内に侵入し台所に向かいます。
ちなみに、ネズミが動くのは基本的に毎日同じような時間帯、
具体的には夜の寝入りばなと早朝の4時頃が多いです。
2)この1匹が臭いや音を確認しつつ慎重に台所に向かい、到着後も調査しているのか数分間周辺をかぎまわります。
3)他のネズミが出てきます。今度は1匹ではなく数匹一気に出てきます。
4)最初の1匹目が通ったルートが例えば壁際の左側であれば、
同じく左側のまったく同じ部分。
流しやコンロに上るのも同じ場所から登ります。
この際、1匹目のように慎重に動く気配はなく、一気に台所にむかいます。
5)おそらく目的地であろう台所では比較的自由に動き回ります。
6)約20分~1時間ほどで帰ります。帰るときも来た時と同じルート、
登ったところを降り、壁際の左側を通ってきます。
帰る時も躊躇なく一目散に戻ります。
これらの事から
ネズミの知能の高さがうかがえます。
すなわち、
↓
・どうやらクマネズミは自グループの中で先遣隊を作り
全員で移動する前に偵察をさせているらしい。
・安全が確認できたことを何らかの合図
(おそらく人間に聞き取れない周波数の鳴き声)で伝えている。
・つまり言語に類するやり取りをしている。
・安全確保したルートを正確にたどって安全を確保している。
獣道と呼ばれるものと同じと思われます。
・安全が確認された道を「安全」と認識している。
などなど
特に、先遣隊を送っていることにはビックリします。
これが本当に知能と呼べるものなのか
本能に近い反射のようなものなのかはわかりませんが
見事なチームワークだと言えるのではないでしょうか。
ほんとうに生き物というのはおもしろいですね。